温泉成分のご紹介
平成20年7月30日温泉分析書より
温泉分析書は、温泉のプロフィールのようなもの
当館の温泉を、分析書にそってご紹介します。
●泉質-ナトリウム-塩化物泉(低張性・中性・高温泉)・療養泉
この一行が読めれば、だいたいの温泉のイメージがつかめますよ~~。
①まず、ナトリウムー塩化物泉 とは?
当館の温泉の泉質名で、 陽イオン名-陰イオン名 で表されています。
鉱水1Kg中に含まれている溶存物質総量(ガス性のものを除く)が、1g(1,000mg)以上の温泉の総称で、"陽イオン名-陰イオン名"の形で表されて泉質名となります。
温泉分析書で見る場合には、陽イオンと陰イオンの表のミリバル%の欄に注目し、
それぞれの表で最も割合の大きいイオンが主成分となります。
ミリグラムの大小ではありませんので注意が必要です。
当館 全窓辺から/錦江湾(きんこうわん)
その次に、ミリバル%の欄で20%以上の成分は副成分として、主成分の次に表記されます。
(ミリバル(mval)とは、温泉などの溶液1㎏中に溶存するイオン種の濃度を表す単位で、1バル(val)という単位の千分の一の単位です。)
当館の分析表を見てみると、陽イオン中、一番割合が高いのが、
ナトリウムイオン 71.75ミリバル%
陰イオンは、 塩素イオン 84.57ミリバル%
となっています。
塩素イオンが大きくかかわっているので、「塩類泉」となるのですが、塩類泉には大きく、塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉の3つに分けられますので、当館の鉱水の泉質名は、その中でも一番多い物質名をとって
ナトリウム-塩化物泉 となりました。
ナトリウムー塩化物泉は、以前、弱食塩泉と呼ばれていましたので、そちらの方が、親しみやすいという方もいらっしゃると思います。
お湯の特徴としては、海水成分とよく似ていいて、なめるとしょっぱい味がします。
入浴すると、皮膚に塩分が付着するため、保湿効果が高く、湯冷めしにくいので
ナトリウムイオンには、角質化した肌の乳化作用、更年期障害、ホルモンのバランス調整といった特質があります。
塩素イオンには、保湿効果・温熱効果で血行促進・体内老廃物の除去等の作用があります。
このように、ナトリウム―塩化物泉という泉質名が決まり、効果もわかりましたが、他にも嬉しい成分がありました。
陽イオンに、マグネシウムイオン 19.68ミリバル%
陰イオンに、 炭酸水素イオン 5.80ミリバル%
硫酸イオン 9.47ミリバル%
マグネシウムの作用としては、炎症
の抑制作用・慢性湿疹・アレルギー
等が挙げられます。
基準があるので表に出てきませんが、炭酸水素イオンは「重層泉」にもなる成分です。
重層泉とは
皮膚を柔らかくする作用の無色透明のアルカリ性の温泉で、石鹸も良く溶けます。皮膚を軟化させ、脂肪や分泌物を乳化させるため、肌が滑らかになるので「美人の湯」と呼ばれています。
また、硫酸イオンは「硫酸塩泉」になる成分で、苦味泉ともいい、「傷の湯」「中風の湯」とも呼ばれます。
このように、細かい成分が作用し合っているのが、長年入湯していて
「なるほど~、それでね!」と納得するところです。
桜島 朝焼け
●泉質-ナトリウム-塩化物泉(低張性・中性・高温泉)・療養泉
泉質名のとなりにある( )は3つの分類を表しています。
②3つの分類ってどういう意味があるのでしょう。
まずは、低調性って?
浸透圧による分類です。以下の表をどうぞ。
|
低張性 |
等張液より浸透圧が低いもの(溶存物質総量8g/㎏未満) |
|
等張性 |
等張液と同じ浸透圧を持つもの(溶存物質総量8~10g/㎏) |
|
高張性 |
等張液より浸透圧が高いもの(溶存物質総量10g/㎏以上) |
これはどういうことかというと、温泉入浴の際、「湯あたり」がどうなのかが読めます。
浸透圧が高いと、溶存成分が入ってきやすい。
低すぎると水分が入ってきやすい。
当館 レストラン前の庭にて
ここで面白いのは、浸透圧の作用です。
宣伝文句にも使われていそうですが、浸透圧が高いと成分がたくさん入ってきて良いように感じますが、赤血球を濃い食塩水に入れた場合、赤血球中の水分が出やすくなるという実験を思い出して下さい。
当館は、等張性に近い低張性温泉です。
泉質名でわかりましたように、ナトリウムー塩化物泉(旧温泉名・・弱食塩泉)ですので、赤血球を逆に、大変薄い食塩水に入れると、赤血球が水分をふくんで膨らんでしまうことを考えると、溶存物質総量7.206g/kgという数値は
「湯あたり」もしにくく、成分を取り込みながらも、なおかつ、ほどほどに・・・・
という感じなのではないでしょうか。
このバランス感覚、いかがでしょう! まだまだ続きます!
磯海水浴場
つぎに、「中性 って、あの中性?」 の中性の説明です。
液性分類 といって、水素イオン濃度(pH)による分類です。
これも表をご覧ください。
水素イオン濃度(pH)による分類(湧出した時のpH値)
|
pH2未満 |
|
|
酸性泉 |
pH2以上pH3未満 |
|
弱酸性泉 |
pH3以上pH6未満 |
|
中性泉 |
pH6以上pH7.5未満 |
|
弱アルカリ性泉 |
pH7.5以上pH8.5未満 |
|
アルカリ性泉 |
pH8.5以上pH10未満 |
|
強アルカリ性泉 |
pH10以上 |
胃液(1.8~2.0)
レモン汁(2.0~3.0)、食酢(2.4~3.0)
ワイン、ビール、醤油、炭酸水(4.6)
炭酸水以下のpH値が 酸性雨
雨(5.6) 尿(4.6~7.4) 煎茶(5.9)
水道水(5.8~8.6) 当館温泉(6.4)、牛乳(6.4~7.2)
母乳(6.8~7.4) 唾液(7.2~7.4)
血液(7.4) 涙(8.2) 海水(8.3)
石鹸水(9.0~10.0)
当館の温泉は、 pH値 6.4
表で見ますと、 中性泉 ですね。
pHとは、・・
酸性やアルカリ性をはかる「物差し」のようなものです。
以前は、ペーハーと言っていましたが、最近は、ピーエッチと言うようですが・・。
pHの語源・・・ラテン語でpounds Hydrogeniiであり、poundsは重量を意味し、Hydrogenii
は水素を意味します。pHは、水素指数の略号です。
特徴・・・ 酸性は、酸味を有す。
アルカリ性は灰汁(あく)の様な舌をさす味を感じます。そして、指で触るとぬるぬるして石鹸に似た感触があります。
これらの性質は、それらが強くなるほど顕著になります。
水に溶けている物質によってもpHが変わります。
余談ですが、私達が普段食べている食品には、酸性のものやアルカリ性のものがあります。
栄養学でいう酸性食品・アルカリ性食品と呼ばれているものは、その食品そのものが、酸性であるとかアルカリ性であるとかという事ではないのです。
それらの食品を摂取して、それらが体内で酸性を示すのかアルカリ性を示すのかという事をあらわしているのです。
当館 レストラン前の庭にて
カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)などを含む食品は、これらのそれぞれが、体内では、Ca2+、Na+、K+、Mg2+ などの陽イオンとなり、アルカリ性を示します。
一方、リン(P)、硫黄(S)は、PO43-、So42- などのイオンになるので、酸性を示します。
(このイオンの状態で、当館のミネラルも、浴槽に溢れています!)
よく例にあげられるのが、梅干です。これと同様に柑橘類も食べた時は、酸っぱく感じます。
それ自体は確かに酸性ですが、これらは典型的なアルカリ性食品と呼ばれているものです。
含まれるミネラルが、体内で陽イオンか、陰イオンになるので、体内に取り込まれる前と後とでは、状態が変わるのです。
人間のからだは、pH値が7.35~7.45を保つようになっています。
食品によってからだが、酸性やアルカリ性に傾倒する事はありません。
例えば、酸性食品と呼ばれているものばかりを食べている人は、pH値が7以下の酸性を示すかというとそうではなく、ちゃんとpH値が7.35~7.45の間になっています。
調査によると典型的な肉食のエスキモーの人たちを調べると、pH値が7.35~7.45の間になっていますが、尿や汗が、酸性傾向が強い事を示しているそうです。
以上のように、体内に入るものと、入らないものでは、pH値の見方が変わります。
温泉は食品ではないので、皮膚にどのような影響があるか、その状態を示すのが、液性分類による表示なのです。

それでは、3つ目の 高温泉 ・・
これは簡単そう!
当館の温泉は、源泉湧出時温度が 46.1℃ なので 高温泉
となります。
|
高温泉 |
42℃以上 |
|
温泉泉 |
34℃以上42℃未満 |
|
低温泉 |
25℃以上34℃未満 |
|
冷鉱泉 |
25℃未 |
湧出口(普通は地表)における温泉水の温度の ことで、
温泉水の地下における温度ではありません。
温泉法では、泉温が25℃以上であれば、含まれている物
質の量に関係なく温泉とされています。
日本では、泉温(湧出した時、又は採取した時の温度)によ
る分類で右表のように4つに区分され、表示さています。
ただし、当館の温泉は、水道水や加熱で、温度調整しておりません。
気候の変化のある日本ですので、多少体感温度が変わるかと思いますが、大自然の育むミネラルをそのまま感じて頂くため、自己調整機能を高めてご入浴されることを推奨いたします。
なぜならば、ここまで奥深く、温泉分析表を読んできましたが、そのままを味
わえる温泉の状態なのですから。
では、 最後に 桜島パワーさく裂 の 温泉成分をご覧頂きながら、天然温泉 有村温泉 をご堪能下さい


鹿児島市上空より
●泉質-ナトリウム-塩化物泉(低張性・中性・高温泉)・療養泉
③ 療養泉 身体にとても効きそうな呼び方ですよね。
鉱水が、温泉法という法律に、どのように適応しているか、どのように表示されるかというところです。
鉱水の持つ個性を簡単に表したものだと思いますが、大事なことは、いくら書面上で「温泉」と謳っても、自然の力を感じる感性が無ければ、「温泉」の意味が無いことをお忘れなく・・・。
まず、温泉法には、温泉であるための基準値が示されており、その中で1つでもクリアしてこそ、温泉となります。
それでは、当館の鉱水の成分を見ながら、基準値に照らし合わせて、温泉判定をしてみましょう。
【基準値】一つあれば、温泉となります。
【基準値】に達しませんが、成分があるということで、色を変えております。
●源泉温度-46.1℃ 【25℃ 以上】 OK!
●ラドン(Rn) 0.29×10-10Ci/kg(0.08M.E./kg) 【5.5ME/kg以上】
筋肉痛、関節痛、神経痛
●溶存物質(ガス性のものを除く)総計 7、206mg/kg 【1、000mg/kg以上】 OK!
溶存イオンとイオンの働き等 (単位mg/kg)
●リチウムイオン(Li+) 0.7 【1mg以上】
鎮痛効果 痴呆の予防
●ナトリウムイオン(Na+) 1925.0
角質化した肌の乳化作用、更年期障害、ホルモンのバランス調整
●カリウムイオン(K+) 131.6
天然水の主要成分、筋肉のエネルギー代謝を促す、老廃物の排泄、血圧降下、ナトリウム量調整
●アンモニウムイオン(NH4+) 0.5
●マグネシウムイオン(Ma2+) 279.0
炎症の抑制作用、慢性湿疹、アレルギー
●カルシウムイオン(Ca2+) 123.2
鎮静作用、胃潰瘍、リウマチ、糖尿病、動脈硬化、高血圧、骨粗しょう症、かゆみを抑える(牛乳は、1000mg/kg)
●ストロンチウムイオン(Sr2+) 0.2 【10mg以上】
ナトリウムの吸収抑制、高血圧心臓病の防止、排泄促進
●マンガンイオン(Mn2+) 1.4 【10mg以上】
不足により、脳・心筋梗塞の原因
●鉄(II)イオン(Fe2+) 8.9 【10mg以上】
体内酸素の運搬
●フッ素イオン(F?) 0.9 【2mg以上】
●塩素イオン(Cl-) 3403.0
保湿効果、温熱効果で血行促進、体内老廃物の除去に関与
●臭素イオン(Br-) 10.8 【5mg以上】
●硫酸イオン(SO42-) 516.5
外傷、痛風、肩こり、腰痛、神経痛、免疫能力を高め、体温調整
●炭酸水素イオン(HCO3-)401.4 +ナトリウムイオン(Na+) 1925.0【340mg以上】OK!
美肌効果、保湿効果、慢性皮膚病、アトピー性皮膚炎
●メタケイ酸 (H2SiO3) 229.1 【50mg以上】OK!
天然の保湿成分、100mg以上で強力な美肌効果
●メタホウ酸 (HBO2) 8.8 【5mg以上】OK!
目の粘膜を洗浄する効果
●遊離二酸化炭素 (CO2) 164.5 【250mg以上】
日本では希少、血液循環の促進、毛細血管を拡張、リウマチ、不妊症、婦人病、心臓病
●遊離硫化水素(H2S) <0.1
●総水銀 (Hg)<0.0005
●総砒素(As) 0.017
●鉛イオン(Pb) <0.05
●銅イオン (Cu)<0.05鉄分の吸収と貯蔵
●亜鉛 (Zn)<0.05 不足により味覚 臭覚障害
●カドミウム(Cd ) <0.05
【療養泉】
1978年に改正された「環境庁鉱泉分析法指針」によって特に治療の目的に供しうるものとして規定された下記の療養泉の基準値を満たす温泉をいい、その基準に適応した泉質名を付けることと、それに応じた適応症(効能)を掲げることが出来ます。
|
1.温度(源泉から採取されるときの温度) |
摂氏25度以上 |
→単純温泉(下記物質が一つも基準以上ない場合) |
|
|
2.物質(下記に掲げるもののうち、いずれかひとつ) |
|||
|
物質名 |
含有量(1㎏中) |
||
|
溶存物質(ガス性のものを除く) |
総量1,000㎎上 |
→塩類泉(塩化物泉、硫酸塩泉、炭酸水素塩泉) |
|
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遊離二酸化炭素(CO2) |
1,000㎎以上 当館164.5mg |
→二酸化炭素泉 |
|
|
銅イオン(Cu2+) |
1㎎以上 |
→含銅泉 |
|
|
総鉄イオン(Fe2++Fe3+) |
20㎎以上 当館 8.9mg |
→含鉄泉 |
|
|
アルミニウムイオン(Al3+) |
100㎎以上 |
→含アルミニウム泉 |
|
|
水素イオン(H+) |
1㎎以上 |
→酸性泉 |
|
|
総硫黄(S) |
2㎎以上 |
→硫黄泉 |
|
|
ラドン(Rn) |
30×10-10キュリー単位以上 |
→放射能泉 |
|
療養泉の規定を満たす、特種成分(上記7つの成分)のうち、3つの成分があります。
これらの成分は、本当に希少な成分で、ひとつの温泉に複数存在していることも珍しいと、いろいろ調べていくうちに実感しています。
それらを持ち合わせなくとも、温泉基準値をクリアしていれば、法律では温度25℃以上で「療養泉」となります。
当館の有村温泉は、温泉法で世に出る温泉名はナトリウム―塩化物泉ですが、ご覧いただきましたように、
多くの成分があり、
しかも、
低調性(湯あたりしない)
中性(肌に優しい、万人向け)、
そして、
あったまる高温泉でしたね。
これが、桜島の「火山性温泉」のすがたでした。
そして、この鉱水の由来は、天水と海水だそうです。
桜島に降り注ぐ天水が、桜島の安山岩に濾過されて、豊かなミネラルを含んでいるのです。
スケールの大きな、大自然の水の循環ですね
そして・・・
地球の成り立ちを伝えるマグマ。
桜島が噴き上げるマグマは、爆発とともに粉砕され、煙となって風に運ばれます。
マグマの降りかかる地域に、マグマを知らない生活が結び付き、知らない暮らしを形成してきた社会が近くに広がっています。
地球が手塩にかけて育んできたはずの人が、命の始まりを受け入れるのはいつでしょうか。
自然にあふれる親への感謝は、自然に桜島の営みを受け入れ、地球に向かっていくようでした。
庭で、スイカとトマト
最後まで、プロフィールをお読み頂き、誠にありがとうございました。この温泉に、何十年と入り続けた私どもにとって、分析表は鏡のように思います。
もう少し読めば、遊離硫化水素が検出されていないというところ!
普通には考えられないマッチングです。
そして、その他の検査になりますが、天然ガスが検出されないというのも、私どもが納得し、凄いと思うところです。
さらに、地球環境の専門家のお話によりますと、源泉湧出地と、大浴場の浴槽が状態を変えていないところ(加水なし、加温なし)が、なんとも言えない感謝の溢れるれるところです。
この温泉が溢れる限り、今までも、これからも、素晴らしいお客様に出会えるチャンスを頂いていると確信しております。
なぜならば、この地に溢れる自然の恵みを教えて下さったのは、心豊かなお客様に他ならないからです。
生きているミネラルと、死んでいるミネラルの違いを教えて下さったのも、お客さまでした
人の情緒がミネラルで形成され、日本人はそれを取り入れる生活をしていたと教えて下さったのもお客さまでした。
豊かなミネラルが、人にやさしく温泉となって姿を現してくれる・・。
その温泉を「いのちの温泉」「真心の温泉」と言ってくださったのも、お客さまでした。
「この温泉につかり、目の前に広がる静かできれいな海を見ていると、ゴミという概念が変わった。」
「溶岩の有村から注がれる温泉に入っていると、生命の生まれる前の太古の時代を想像するね。」
・・・・・・・・・・・・・・etc
そして、今更ながら、一利用者として、この浴槽で41度となる自然の温泉を探した先代と、使ったら入れ替えるという、ご家庭でする当たり前のお風呂掃除を基準に、社会の法に適合させる、現社長の徹底した清掃管理に、こころから感謝したいと思います。


