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事件の概要と被害の規模
「週刊少年ジャンプ」の黄金時代を築いた漫画家、桂正和氏(62歳)の代表作『電影少女 – VIDEO GIRL AI -』の原画が、アトリエの引っ越し作業中に丸ごと盗難されるという衝撃的な事件が発生しました。
盗難された原画の価値と被害総額
被害に遭ったのは、『電影少女』の全15巻分、合計約2500枚に上る原画です。桂正和氏の緻密な作画技術と作品の絶大な人気により、この原画の市場価値は非常に高くなっています。
現在、盗品とみられる原画がオークションサイト「ヤフオク」で1枚あたり10万〜数十万円、中には100万円を超える価格で取引されており、1枚30万円で計算した場合、盗難による被害総額は最大7.5億円にも達する可能性があるとされています。
桂氏本人は、「命を削って描いた原画を、手違いで処分してしまうことなんて絶対あり得ません」と、盗難に対する強い憤りを表明しています。
厳重な管理と計画的犯行の疑い
桂氏は、引っ越し前から原画を1巻分ずつ封筒に入れ、アトリエ内のロッカーで厳重に保管していました。また、引っ越し業者や産廃業者に対しても、原画を捨てることのないよう細かく指示をしていたといいます。
しかし、『ウイングマン』など他の作品の原画は別の場所に保管されていたため無事であったにもかかわらず、『電影少女』の原画だけが選別的に盗まれていました。これは、犯人が原画の市場価値を把握し、最も高額で売買できる作品を狙った計画的な犯行であることを強く示唆しています。
捜査の進展と犯行ルートの解明
デジタル時代の証拠と共犯者の浮上
当初、警察に被害届を受理してもらえなかった桂氏ですが、代理人弁護士が中心となり独自の調査を開始。桂氏の元に寄せられた多数のタレ込み情報と、デジタル時代の証拠によって、犯人の目星がつきつつあります。
酒井奈緒弁護士がヤフオク側に情報開示請求を行った結果、盗品を出品していたアカウントの一つが、事件に関わった引っ越し業者と通じていると疑われる古物商によって作成されたものであることが判明しました。
この証拠により、以下の犯行ルートが有力視されています。
- 引っ越し業者が、引っ越し作業の混乱に乗じて原画をロッカーから持ち出す。
- 盗まれた原画を、共犯の古物商に売却または横流しする。
- 古物商がヤフオクなどのサイトで原画を転売し、不正な利益を得る。
刑事告訴の準備と原画返還の可能性
現在、桂氏側は疑惑の引っ越し業者と古物商に関する証拠を揃え、窃盗罪などでの刑事告訴を予定しています。
また、古物商が盗品を買い取っていた場合、古物営業法第20条により、盗難から1年以内であれば、その原画を被害者に無償で返還する義務があります。盗難は2024年10月であり、まだ1年以内のため、盗品と証明されれば原画が戻ってくる可能性も期待されています。

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